3Dスキャン・データの活用事例!ティルトアップパネル・カジノプロジェクト

アメリカのコロラド州とニューメキシコ州にオフィスを構える大手ゼネコン、ジェインズ社(Jaynes Corp.)は、サンディアカジノで、従来の手法とは異なる最先端の新3Dスキャン技術を活用しました。

メインカジノに隣接する28,000平方フィートの2階建てのオフィスビルも、このプロジェクトの対象となりました。ジェインズ社は設計・施工の専門部署を持ち、ゼネコン業界で数多くのプロジェクトを成功させてきました。サンディアカジノにおけるプロジェクトに同社が選ばれた最大の理由は、彼らが提供しているコーディネート、スキャン、モデリングサービスの評判と熟練度によるものでした。

構造物の壁はすべてチルトアップパネルで作られていたため、将来的にスリーブや貫通部を増やす場合に備え、鉄筋の個所を特定する必要がありました。しかし、これはサンディアカジノ・プロジェクトの最大の難関でした。パネルの幅は様々で、高さは20フィート。鉄筋は5号と6号が使用されていました。X線などを使用するとなると、法外な費用がかかってしまいます。

そこで彼らは、まず図面と3Dモデルを組み合わせて、スリーブの位置を確認することにしました。しかし、他のプロジェクトと同様、設計が途中で変更され、貫通部を追加したり、既にあるものを移動したりする必要が出てきました。そこで、壁の補強材の正確な位置を記録し、確実かつ正確に調整できるようにしたのです。

すべての鉄筋の配置を仮想記録することで、安全にパネルを切り開ける場所を限定していきました。プロジェクトマネージャーのヘスス・オルティス氏と現場監督のジェフ・ハーパー氏が、パネルを流し込む前に地上でスキャンするという先見の明があったのは、賞賛に値します。

ジェインズ社の3Dスキャンスペシャリストであり、CM-BIMの称号をもつボブ・ファーガソン氏によると、このプロジェクトではFARO Focus S150レーザースキャナーが使用されたとのことです。S150の精度(最大150m)により、パネルの端と貫通部の端における正確な鉄筋の位置をピンポイントで特定することができると確信したそうです。また、一般的な手法で撮影された写真で寸法を正しく再現するのは難しいとのことです。

現場では、信頼性の高い手法で、より正確なデータを記録することが求められています。3Dスキャンを採用することで、パネルを切り開く場所を正確に把握するのが可能となり、鉄筋にダメージを与えるという潜在的な問題を最小化することができます。

チルトアップパネルを積み重ね、硬化が完了したら、その上にフレームを組みます。鉄筋を組んだ新しいパネルが出来上がるごとにフレームを組みます。ジェインズ社のチームは計7回のエクスカーションを行い、毎回3〜4枚のパネルをスキャンし、最終的には計23枚のパネルを完成させました。

ジェインズ社のスタッフは、パネルを設置した後、さらに貫通させる必要が生じた場合にも対応できる、確かなデータを得ているとのことです。ティルトアップパネル・カジノプロジェクトにおける3Dスキャン・データの活用事例のご紹介は以上です。